多言語ウェブサイトを作成するときに、考慮すべき文化的違い6つ

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多言語ウェブサイトを作るときは、テキストを正しく伝わるように翻訳するのはもちろん重要ですが、それだけでなくコンテンツにも注意を払う必要があります。

デザインやコンテンツは、どの地域の人をターゲットにしているかによって変わります。コンテンツを地域に合わせて最適化することを、ローカライズと言います。

文化的違いに合わせて検討すべき6つの項目

文字の長さ

他の言語に翻訳したとき、文字数が大幅に変わることがあります。

他の言語に切り替えたとき、テキストが枠からはみ出してしまうことがないか、確認しましょう。

文字量が増減したときでもデザインが保たれるよう、多言語サイトを設計するときはあらかじめ柔軟な設計にしておきたいです。

TumisuによるPixabayからの画像

通貨や単位

通貨や単位も国によって違います。翻訳する際は、単位表記もその国で一般的に使われている単位に直したいところです。

日本やヨーロッパではメートル法が使われますが、アメリカではヤード・ポンド法が主流です。

特殊な単位としては、日本では広さを表すときの「畳」や「坪」があります。不動産屋の広告ではよく見かける単位です。

現地で使われている単位に換算して表記しましょう。

肌の露出がどこまで許容されているか

特に女性の写真を使う場合に注意する項目です。国によって肌の露出の許容度は様々ですが、違法になってしまう場合もあるので、ターゲット地域の法律をよく確認しましょう。

肌の露出への許容度はヨーロッパでは緩やかで、日本も比較的緩やかと言えるでしょう。中東の多くの国では、髪から足先までを覆う必要があります。

宗教

ターゲット地域の宗教・信仰はなんでしょうか?

タブーとされている動物や、神聖視されている動物を正しく扱いましょう。

ラマダンキャンペーン

どの国でも、季節に合わせたキャンペーンをやりますよね。日本ではゴールデンウィーク商戦やお中元商戦などがあります。

イスラム教徒が多い地域では、ラマダンに合わせた商戦があります。日本から近いマレーシアやインドネシアなどもそうです。

IKEAのラマダンキャンペーン
Coca-Colaのラマダンキャンペーン

失敗例

ラマダン商戦で豚肉入りの商品をプロモーションしてしまった例。

この時期は食品関連の広告が活発になります。しかし、他の時期ならともかくイスラム教のイベントであるラマダンのキャンペーンで豚肉をプロモーションするのはNGです。

祝日

宗教の例と似ていますが、祝日、祭日、季節行事は国によって違います。

季節の挨拶は、ターゲットの国によって相応しい内容に変えましょう。また、ECサイトなどでのオンラインキャンペーンは、その国の行事に合わせたものを開催しましょう。

文章がRTL(右書き)かどうか

ペルシャ語やアラビア語など、右から左へ書く言語へ対応する予定はありますか? その場合は

  • 文字を左揃えから右揃えにする
  • レイアウトを左右対称にする

といった対応をした方が親切です。

左書きを前提に作ったサイトを、後から右書きに対応するのは大変です。

今後右書きに対応する可能性がある場合は、予め右書きにも対応できるフレームワークでサイトを作るなどしておくことで、スムーズに右書き対応できます。

英語表示のYouTube

ペルシャ語表示のYouTube

最後に

コンテンツの量や対象言語が多い場合は、全てに対応するのは難しいかもしれません。優先順位を付けて、できることから対応しましょう。恐らく、「タブーとされている表現を使わない」ことが最優先になるかと思います。

また、サイトを作るときに予め世界でより広範囲に使われている表現で書いておくことで、後々多言語化する際に作業が楽になります。

例えば、年は元号ではなく西暦で表記するなど。


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執筆者

Kanrinin

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