ゲームを英語対応や中国語対応すると、日本語のみに対応している場合に比べてユーザーへのリーチが何倍にも広がります。
しかしインディー・同人ゲーム開発者にとって、翻訳の手配はコスト面などから難しい。
でも、機械翻訳でもいいから多言語化した方がいいのでは? と悩む方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、機械翻訳は基本的に薦めません。
翻訳が機械翻訳だと海外ユーザーはがっかりして、開発者への心象が悪くなります。
日本語から他言語への機械翻訳は意味不明な文章になっていることが多く、とても対応したと言える状態ではありません。それを「英語対応」「中国語対応」したと言ってしまうのは不誠実と取られてしまいます。
機械翻訳した結果、作品本来の質とは関係のない部分で作品の印象が損なわれるくらいなら、何もしない方がマシです。
確かに近年は機械翻訳の質も上がっているし、AIという選択肢もあるし、AI翻訳でいいのでは? と思うかも知れませんが、少なくとも日本語から他の言語への翻訳は、まだまだ使えるレベルには程遠いです。
日本語はハイコンテクスト言語と言われ、会話の前提条件や文脈で言葉の意味が変わってきます。一文だけを見ても正しく翻訳できず、正しい翻訳のためには文章全体やその背景を理解している必要があります。
これが機械翻訳には難しいようで、機械翻訳がそこまでできる日は当面来ないかも知れません。
日本語の主語の省略も機械翻訳には厄介で、「私は〜」と訳されるべきところが「貴方は〜」となるなど、主語や目的語は滅茶苦茶になりがちです。
日本のゲームを遊ぶのが好きな海外ユーザーの間では、自動翻訳しながらゲームを遊ぶためのツールが普及しています。
こうしたツールではゲームをプレイしながらリアルタイムで翻訳が表示され、原文も表示されます。多くのユーザーは日本語の知識が多少あり、自動翻訳が間違っていても原文を見比べて意味を類推することができます。
機械翻訳を許容できるユーザーは、開発者が用意するまでもなく、自分からすでに機械翻訳を使っています。
こちらが機械翻訳を実装してしまうと、ユーザーには返って不便です。
コストが安い順に紹介。
翻訳先の言語の知識がある程度ある場合に限ります。
補助的に翻訳ツールを使っても構いません。一文一文間違いがないか確かめながら翻訳しましょう。
少なくとも言いたいことは通じる程度の文章になります。
デメリットは、ユーザーから見てぎこちなく感じてしまうこと。
自然で生きた会話に聞こえず、不自然な文章になります。結果、ストーリーに感情移入しにくくなります。
ストーリー・キャラクター重視のゲームの場合、かなり大きなデメリットになります。
上記のデメリットが幾分解消されます。
ただし、編集者がストーリーの背景やキャラクターの特徴を完全に理解しているわけではないため、やはり生きた会話になりにくく、不自然さは残ります。
ゲームの翻訳に慣れている翻訳者に依頼する方法です。
個性的な話し方をするキャラクターも、原文のニュアンスをある程度汲み取って再現してくれるため、没入感を削がない翻訳になります。
ストーリー重視の物語では不可欠です。