既存のホームページを多言語化する方法4パターンを紹介

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多言語化の方法は、どの言語にするか、翻訳テキストをどうやって用意するか、どのくらいコストを掛けるか、などによって変わってきます。

今すでにお持ちのホームページを、多言語化する場合の手順を、シチュエーション別に4パターンに分けてお伝えします。

多言語化の手順

1. 対象言語を決める

どの言語に翻訳するかは、以下の点を踏まえて決めるといいでしょう。

  • アクセス解析を見てください。現在のサイトの訪問者はどの国からが多いですか? またはどの表示言語を使っていますか?
  • 新たにターゲットにしたい顧客はどの地域の人ですか?
  • ターゲット地域が決まっていなくて、とにかく幅広い国からの顧客をターゲットにしたい場合は、話者人口が最も多い”英語”でひとまず問題ありません

2. 翻訳テキストをどのように用意するか決める

費用をかけない場合

自分で翻訳する

自分で翻訳できる方や、社内に堪能なメンバーがいる場合はコストがかかりません。

自動翻訳を使う

Google翻訳DeepLを使えば、無料で機械翻訳ができます。機械翻訳の精度は年々上がっているとはいえ、ネイティブから見ると”機械翻訳っぽさ”が出てしまうのは避けられません。

また、サービスのブランディングや地域に合わせた最適化も不可能です。(日本語がおかしいサイトは反射的に「怪しい…」と思ってしまいますよね)

ただ、「取り急ぎで用意したい」「最低限の内容が伝わればいい」といった場合は自動翻訳という選択肢もありでしょう。

低コストで用意したい場合

  • 翻訳会社に依頼して、自分でテキストを組み込む
  • 多言語化ツールを導入 詳しくは多言語化ツールの項目へ移動
  • 翻訳とホームページ制作をセットで行っている制作会社に依頼 詳しくは制作会社の項目へ移動

3. ホームページの形式を決める

ターゲット地域ごとにPRする内容を変えたい

たとえば貴方が国内でECサイトを運営しているなら、海外の顧客には海外配送について強調したい。

国内に店舗があって、海外の顧客には空港からのアクセスや免税の手続きについて案内したい。

外国語に堪能なスタッフがいることをPRしたい。

日本ならではの魅力についてPRしたい。

こんな風に、実際には単に言葉を切り替えるだけではなく、国内向けと海外向けでは違ったアピール内容が必要なことが多いです。

このような場合は、思い切って二種類のホームページを作成すると考えましょう。海外向けページでは、トップページのレイアウトやメニューの項目を変えます。もちろん、共通する部分は同じ内容で構いません。

zh.xxxx.com、en.xxxx.comやxxxx.com/ja、xxxx.com/ruなどのように、サブドメインやディレクトリで分けます。

具体的な方法:

伝えたい内容は変えず、言語だけを切り替えたい

どの国からの顧客かに関係なく、提供しているサービスが同じで、PRしたい点も変わらない場合は、言語切り替えボタンで言語だけを追加するのがシンプルでお勧めです。

具体的な方法:

具体的な方法

ここからはホームページを多言語化する具体的な手法を紹介します。

1. WordPressのプラグインを使った方法

WordPressをお使いなら、多言語化プラグインを使うのが手っ取り早いです。お勧めプラグインを三つ紹介します。いずれも翻訳テキストは別途用意する必要があります。

Multisite Language Switcher

https://ja.wordpress.org/plugins/multisite-language-switcher/

WordPressのマルチサイト機能という、複数のWordPressサイトを一元管理する機能を使ったプラグインです。言語毎に新しいWordPressサイトを作るので、かなり柔軟なサイト設計が可能なのが特徴です。

導入後は以下のようにページ毎に、対応する言語のページを指定します。

投稿や固定ページの多言語化はもちろん、ソースコードをphpファイルに直接書き込んでいるような独自テーマの多言語化にも対応できます。

言語別に、ホームページのレイアウトやデザインを自由に変えることができます。

ただし設定が難しいので、制作会社に依頼するか、社内にエンジニア体制がある必要があります。

メリット

  • 無料
  • ページを言語毎に自由に設計できる

デメリット

  • 設定の難易度がやや高い

Polylang

https://polylang.pro/

無料の有名なプラグインです。表に見える部分はほとんど翻訳に対応していて、シンプルに導入できます。

メリット

  • 無料
  • 比較的設定が簡単

デメリット

  • より高度な機能を求めるなら、他に挙げたプラグインを勧める

WPML

https://wpml.org/ja/

有料プラグインの中で最もメジャーな多言語化プラグインで、とにかく高機能です。

初年度$79、年間更新$59のプランで、WordPress上のほぼ全ての要素が翻訳できます。ECサイトプラグインWooCommerceの多言語化にも対応しています。

メリット

  • 導入数が多く信頼性が高い
  • サイトの表だけでなく、管理画面やメールなど見えない部分の翻訳にも対応
  • チームでの翻訳も可能

デメリット

  • 有料版のみなので、上記の機能が必要ない場合は割高。

2. WiXの場合

https://www.wix.com/

WiXにはマルチリンガル機能が無料プランに付属しています。現在のサイトがWiXで作られているなら、数クリックで簡単に多言語切り替えボタンを設置できます。

言語別に内容を変えたり、特定の言語だけページを追加したりもできます。

ただし翻訳テキストは別途用意する必要があります。

3. 多言語化ツールを導入

既存のウェブサイトを多言語化するための専用ツールがいくつかあります。こうしたツールの特徴は、

  • コーディング不要で簡単に言語切り替えボタンを付けられる
  • 翻訳も一緒に依頼できる
  • 素早く導入可能

デメリットとしては、

  • 言語別にサイトの内容を大きく変更することは難しい
  • 翻訳者を選べないので、必ずしも自社に適切な翻訳になっていない場合がある。(専門用語、独自の言い回し、微妙なニュアンスを伝えられない)

こんな場合にお勧め

  • カバーしたい言語の数が多く、翻訳を管理する手間を省きたい
  • サイトが頻繁にアップデートされるので、その都度素早く翻訳したい
  • 翻訳の表現にはそこまでこだわらない

以下に有名なサービスを挙げます。

bablic

https://www.bablic.com/

WOVN

https://wovn.io/ja

4. 翻訳とセットで制作会社に依頼

多言語対応の得意な制作会社へ依頼します。

多言語対応の得意な会社に依頼するメリットは、

  • サイト設計から提案してくれる

海外向けと国内向けでPRする内容を変える、海外向けに案内ページを追加する、といった具合です。その内容も一緒に考案してくれます。

  • マーケティングやSEOを考慮した翻訳が可能

日本語をそのまま外国語に翻訳しても、キャッチフレーズとしていまいち魅力のない文章になっていたり、現地の人には一般的ではない言い回しだったりすることが多いです。

「文法的には正しいけど、違和感がある」という印象を与えてしまいます。

多言語化の得意な制作会社では、サイトのローカリゼーションを行います。

つまり、マーケティングを踏まえてメッセージそのものを変えたり、より検索されやすい言い回しを選んでくれます。

こんな方にお勧め

  • 多少時間がかかっても、自社の魅力を現地の人にきちんと伝えたい
  • 面倒なサイト制作周りも丸ごと依頼したい

当社ではサイト制作と翻訳をセットでご依頼頂くと、別々に依頼する場合よりも割安な価格でご提供しています。

まとめ

このように、ホームページを多言語化する方法は、目的別や状況別に変わってきます。まとめると、

  • 完全に自前で多言語化したい場合は「自力で翻訳×WordPressプラグイン」または「自力で翻訳×自社でコーディング」という組み合わせが良いでしょう。
  • 極力時間と手間を省いて大量の翻訳に対応したい場合は「多言語化ツール」の利用が良いでしょう。
  • 海外進出やインバウンド対応に力を入れたいが、社内にリソースがない場合は「翻訳とセットで制作会社に依頼」するのがお勧めです。

そもそもどれに当てはまるか分からない、調べるのも面倒! プラグインとかローカライズとかよく分からないし面倒くさい! という方もお気軽にご連絡ください


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執筆者

Yulius

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