2025年現在のNaninovelの状況まとめ。サポートプランやバージョンについて

ゲーム開発 |

このブログで度々取り上げているノベルゲーム開発エンジン、Naninovel。

特徴としては

  • 高機能
  • カスタマイズ性に優れている
  • 日々アップデートで改良されている
  • コミュニティが活発
  • サポートが手厚い

かなり重宝できるエンジンなので、日本でもっと普及して欲しいと思いながら記事を書いています。

このエンジン、アップデートが早く進化が激しいです。それが長所でもあるのですが、そのせいで仕様に混乱しがちなので現在の状況をまとめます。

今年からサポート対応がサブスク式に変更になっているので、それにも触れています。

バージョン

Naninovelはバージョンごとに機能や使い方が大きく変わります。

2025年5月時点では

  • 1.21 → Preview
  • 1.20 → Stable

のステータスになっています。

Previewステータスのバージョンは、現在進行形で改良中で、今後仕様が大きく変わる可能性があります。

Stableステータスは、開発が完了しており、バグ修正のみ行われています。大きく仕様が変わる可能性がないので、安心して使えます。迷ったら取り敢えずStableバージョンを使いましょう。

それ以前のバージョンはサポートが終了しています。

バージョンアップ時の注意

バージョンごとのRelease Notesを熟読し、手順に従ってください。

例えば1.20のRelease Notesはこちら

1.19から1.20のアップデートで特に影響の大きい変更は

  • @elseif が @else if:… という書き方に変更
  • @startTrans ~ @stopTrans タグが @trans に変更
  • asyncメソッド名から “Async” suffix が削除されました。C#でメソッドを利用している人は、メソッド名から”Async”を取る必要があります。

他にも多々。見落とすとゲームが動かなくなるので注意。

個人的に嬉しい新機能

Text Identification

  • 1.19以降

以前のバージョンでは、スクリプトのテキストを変更すると、変更した行のローカライズドキュメントとボイスマッピングの情報が失われ、再割り当てする必要がありました。

Text Identificationの機能をONにすると、スクリプトの行ごとに固有のIDが付き、ローカライズドキュメントとボイスマップにも共有されます。再割り当ての必要がなくなりました。

そのためオリジナルのテキストを変更しても、他のドキュメントとの紐付けが崩れることなく反映されます。

ただしIDが付いていると編集するときに面倒なので、なるべく開発の後半かつローカライズ・ボイスマッピング作業の直前でONにするのがオススメ。

TMProフォント用のテキスト抽出機能

  • 1.19以降

ゲーム内で使用する文字だけを抽出してくれる機能。そのままTMProのフォントアセットとして設定できます。

日本語フォントのサイズデカすぎ問題を解消できます。

メモリーマネジメント

  • 1.19以降

スクリプト単位でリソースをロード・アンロードできるようになりました。プレイ中、メモリーを食いすぎてゲームがクラッシュするリスクが減ります。

1.20以降だと更に柔軟にリソースのロードの仕方を指定できるので、更に便利です。

ローカライズドキュメントで行が分割されなくなった

  • 1.20以降

これは1.19の仕様がBADで、1.20でまともになったという話なのですが、

1.19ではテキストに変数が含まれていると、ローカライズ用ドキュメントでは変数を境に行が分割される仕様でした。1.20では変数を境に分割されることはなくなりました。

インストール方法について

Naninovelを初めて使う方、久しぶりに使う方、詳しくはこのドキュメントを読んでください。(記事では1.20バージョンという前提で書いています。インストール時は、インストールしたいバージョンのドキュメントを参照してください)

サポートプランについて

今年からサポート対応がサブスク制に変わりました。詳細

サブスク制と言っても、Asset StoreからNaninovelを購入すると自動的に一年間のサポート対応が受けられます。割引で購入した場合は、割引率に応じた期間のサポートになります。

サポート期間が切れたら、新たにAsset Storeでライセンスを購入し、ライセンス登録を行えば再びサポートを受けることができます。

サポートプランでできることは

  • 最新のバージョンにアクセスできる
  • Discordで直接開発チームからサポートを受けられる

サポートプランに入らなくても、現行のバージョンだけを使う分には問題なさそうです。

インストール方法

  • UPM
  • Github
  • パッケージを手動でインストール

の3パターンの方法がありますが、最新バージョンをインストールできるGithubが推奨だそうです。

ただしGithubからのインストールは、前述のサポートプランに入っている必要があります。

一番簡単なのはUPMですね。

詳しいインストール方法はこちら


Naninovelはインストール方法からして複雑なので、決して初心者向けではないですが、それでも公式ドキュメントに必要な情報が全てまとまっていたり、開発チームが活発だったり、安心して使えるところが良いですね。

ここに書いてある内容は遅かれ早かれLegacyになっていくと思うので、その場合は公式の最新情報を参照してください。


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執筆者

Kanrinin

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